ぎっくり腰が治った後、体全体がだるく仕事をするとすぐに疲れしまうという方の治療を行ないました。
いろいろは背景があると思いますが、背中(真ん中からやや上の部分)が疲れるというので、見てみると、背骨の両側の筋肉が固くなっています。それと肩甲骨の内側の筋肉や肩甲骨の上の筋肉も鍼をするとネチネチした感じがします。一帯がこんな調子で、「背後霊が取り憑いている」と冗談を言ってみたくなる様な状態です。このあたりは腕を肩を中心にして動かす筋肉です。肩甲骨の上に肉がないので、筋肉が縮んで固くなると触っただけで分りますし、押すと痛がります。鍼(一寸3分2番鍼)は入れるときや抜くときに曲がってしまいます。10本以上曲げてしまいました。
肩甲骨の上、内側、上方と丁寧に鍼をしているうちに、すこし赤みが出て来て温かくなり、汗が出てきました。
鍼をして出る汗には2種類があります。痛みや恐怖感からくる汗は、冷や汗のようなもので、脂っこく粘っこい感じがします。痛みや恐怖感がない、自然な発汗はさらさらしていて、本人の気分はいい。今回は後者です。ところが、気がついてみると、汗は肩甲骨とその周辺だけではなく、腰そして足は太ももから足先迄全身に同じように認められました。発汗を司るのは自律神経ですから、肩甲骨周辺の筋肉の緊張が自律神経の働きを制限していたとも言えますし、全身の血流を悪くしていたとも言えると思います。聞くと夜よく眠れなかったということです。治療後はよく眠れると思います。
背中の上の方、肩甲骨の内側の固さは精神的な疾患を抱えているときは固くなりやすいと言われています。不眠もその一つでしょう。人によって体の状態は様々ですから、同じ病気だからといって他の人にも同じ状態が体に現れるとは限りませんが、このように一部分の治療が全身に及ぶのは鍼の持つ効用の一つです。